国立音楽大学 第17回声楽専修合唱演奏会

Facebook及びTwitterでの投稿をまとめました。

もともと国立音大に対して特に含むことはないのですが、この大学関連の演奏会で、ラインベルガーの解説が滅茶苦茶だったのはこれで3件目になりますので、ここで一回怒っておきます。指導者養成の教育機関として失格です。

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2018/11/18(日)に国立音楽大学 第17回声楽専修合唱演奏会 (於国立音楽大学講堂大ホール)ラインベルガーの『ト短調のミサ曲 作品187』と『ニ短調のレクイエム 作品194』が取り上げられましたので、聴いてきました。

 

パンフレットの解説にちょっと間違いがありますので、指摘しておきます。この大学は4年おきに同2曲を演目に上げているのですが、解説がかなりいい加減です。前回ラインベルガーを取り上げた際(2014年)もかなりでたらめが書かれていたので、ゴリゴリボロクソにアンケートに間違いを指摘しておきました。またさすがに弊サイトが運営されたからか、大分ましですがそれでもいくつか間違いや不足している点がありますのでちょっと指摘しておきます

①副題の「Sincere in memoriam」がない。なぜ抜くのでしょうか?

②ラインベルガーのファーストネームは「Josef」です。

③「Hostias」は「Offertorium」に含まれますので個別に表記する必要は全くありません。

 

④リヒテンシュタインは建国以来他の国に吸収・合併・分裂・再独立などしていません。これは専門家にも確認したところ、「国立の先生はこのレベルか」と失笑されました。「現」という表現はあり得ません。

 

「公国」と「侯国」は意見が分かれますが、WebMasterは後者の立場です。これは逆に「リヒテンシュタインはそんなに知られていないのか orz」とがっくりしてたんですけどね。

 

⑤ラインベルガーは1曲も「交響詩」を書いていません。

⑥ブラームスが亡くなった日が「4月3日」です。訃報を知ったのはおそらく5日です。この書き方では「4月3日」当日に知ったことになりますがあり得ません。またこの訃報をきっかけに「Sincere in memoriam 心からの哀悼」と副題をつけたことへの言及がありません。

⑦「Andante molto」ですので「モルト」です。

⑧「同一の歌詞と旋律は共有」していません。Sanctusの「Pleni sunt」以降とBenedictusの「Osanna」以降に近似性はありますが、「同一の歌詞と旋律は共有」はしていません。ミサ曲において一般的に「Osanna」が同一となることと混同しています。

⑨この書き方では「(アンダンテ・グラーヴェ)」が楽章タイトルとなります。

⑩Sequentiaではなく、一般的に音楽をつけないTractusが採用されているという最大の特徴について言及がありません。

⑪「最後の同一の歌詞は」同一になるのが大体のミサ曲の作法ですが、「異なる付曲がなされている」ことがラインベルガーの特徴であることへの言及がありません。

 

ざっと眺めただけでもこれだけおかしな点がみうけれらます。はっきり言ってレベルが低いです。国立音大は数年おきにラインベルガーを取り上げるほど好きなら、いっそ大レクイエムや大ミサを取り上げればいいと思うのですが、存在すら知らないのだと思います。

 

そうそう、「生誕150周年を」…「境に」…「再評価」…「復権」ってあるんですが、これは評価は分かれますね。実際本国ではなんかやったみたいだそうですが、それよりも1965年リヒテンシュタイン候国が資金出してForbergから出したオルガン選集(校訂Matin Weyer)の2冊が復権の始まりのはずなんですよね~

 

ま、Forebergの選集は「Joseph」と力一杯間違ってますがネ。

国立の出典を知りたいですね。WebMaterの根拠はCarusの全集第40巻の解説です。ラインベルガー・ルネッサンスという言葉もあるんですよ。そういった歴史的定説を無視する根拠を知りたいですね。85年じゃ遅すぎます。

 

あと、Requiemno in d op.194のソロ担当した人に言いたいのですが、プロフィールに「ラインベルガーのレクイエムのソロ」を書くなら、op.194とちゃんと書いてください。お宅らの先輩に一杯いるんですが、書かない人ばかりです。どのレクイエムなのかわざと書かないで、まるで大レクイエムを歌ったように書くのはあまり感心しません。