困ったちゃん音源
その1:Naxosのこれ
レーベル:Naxos
ヴァイオリンとオルガンのための作品集
Disc No.:8.557383
演奏:
Line Most (vn)
Marie Ziener (org)
録音年月日:2000/June
ロケーション:David's Church, Copenhjagen
収録曲:
Sechs Stücke op.150
Suite op.166
まずこれだ。Naxosの「ヴァイオリンとオルガンとための作品集」。収録されているのはop.150の『6つの作品』とop.166『組曲』の2チクルス。でだ、問題は前者である。 さて、このNaxos盤は
- 序曲
- 牧歌
- ジーグ
- エレジー
- 夕べの歌
-
主題と変奏
という6曲の順になっている。当初WebMasterもなにもおかしいとは思わなかった。「かっこいい! 痺れる~~(≧o≦;)」。で、ほかの演奏も聴いてみたいなとhelios盤も聴いたんですよ、奥さん。
(;・З・)<あるぇ~~、なんか曲順違うじゃん!! helios盤は
- 主題と変奏
- 夕べの歌
- ジーグ
- 牧歌
- エレジー
- 序曲
という順で構成されている。あっれ、どっちが正しいの? これ? で、なんだかんだで曲そのもにも痺れていたし、オーボエとオルガン作品とか魅力的な曲もあるので全集の33巻も買っちゃった。するとやっぱりhelios盤の順番なわけだ。ついでにネットから落としたForbergの初版も当然一緒。
WebMasterはたとえ「組曲」でも「作品集」でも演奏者は自由に組み合わせて演奏してよいと思っている。何曲抜き出してどんな配列でもいいと思う。作者の意図なんかくそくらえ。この配置がベスト。演奏するのは俺様だぞ! ぐらいの気概の方がいいと思う。「序曲だからど頭でいいだろ」と思ってもいい。だが、そこは作曲家の最低限の意図だけは汲み取って、いろいろいじったならその説明をしろと言いたい。そうでないと聴衆は提示されたプログラムが、オリジナルなものだと思い込んでしまうからである。
想像でしかないが、「序曲」が最後にあるの曲集の終焉が新しい門出であることをラインベルガーは提示しているのではないだろうか? そう終わりは始まりの一歩なのである。ラインベルガーは自作についてほとんど語らない。演奏者に丸投げし、聴衆に自分で考え感じろと突き放す。彼は温厚そうな性格っぽいから、曲順ぐらい変えたって「いいよ、いいよ、どんどんやって」と言いそうだ。でも、やっぱ最低限の説明は欲しいわけ。
でだ、このNaxos盤を何も考えずに参照しちゃったものだから、東京でも3本の指に入る超有名ホールの企画でこの曲を取り扱ったとき、第1番「序曲」とやっちゃった。まいったことに参照したディスクでは「小品集」と訳しているのに、これを「組曲」と。そう、「序曲」を「組曲の1番」とフライヤーに書いちゃうし、ネットにもホール企画として流しちゃう。二重に間違っている。この企画は他にもいろいろ間違っていた(だから教えてやって修正してあげたよ。それでもまだ抜けがあったけど)。
するとだ、これは権威あるところがやっちゃったものだから、某在京有名ラジオ局がそのまま引用しちゃう。そんでもって、「デニソワのヴァイオリン演奏でお聴きください」とやっちゃう。デニソワの同曲を収録したArte Nova盤はとても評判が良くて、ベストセラーになったとか。このArte Nova盤は楽譜通りの構成。もうね、ここも二重に間違えていて、WebMasterはその記述をラジオ局のWebで見かけたときは頭を抱えてしまった。本当ラインベルガーって知られていないんだな、と。
と、いうことでNaxos盤ラインベルガーの「ヴァイオリンとオルガンのための作品集」というディスクを買ったり聴いたりするときは注意しましょうというお話でした。演奏は優秀だよ。
「序曲」が最後に配置されている件については、「Sechs Stücke op.150」の項目下部に再追記した記事も読んでください