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弦楽四重奏曲 Nr.2 in F, op.147
Streichquartet Nr.2 in F op.147
- Allegro non troppo
- Adagio
- Tempo di Menuetto: Moderato
- Introduction und Fuge
『弦楽四重奏曲 2番 ヘ長調 op.147』は1886年10月の後半に作曲が開始され、11月1日に清書が完成している。妻フランチスカが伝えることによると、彼女自身の手によるフーガの冒頭主題は「我が家の廊下の鳩時計から」なのだそうである。
ラインベルガーは1887年の初頭、パート譜をケルン弦楽四重奏団のリーダー、ローベルト・ヘックマンに送っている。ヘックマンはミュンヘンを訪れた際、「あなたの望みと意向をすぐ知ることができるように、そしてわれわれの準備の間、それらを考慮に入れることができます」と手紙に書き。リハーサルに参加してほしいと作曲家に打診したが、ラインベルガーがリハーサルに立ち会ったという記録はない。
ヘックマンはケルンでの秋の予約演奏会シリーズでの公演に延期したかったため、ベンノ・ワルター四重奏団によって4月6日ミュンヘンにて世界初演が開催された。ラインベルガーはライプツィヒのフォアベルク社で印刷してもらいたかったが、当時同社は忙しく却下されたため、ケルン弦楽四重奏団は同年10月4日にマニュスクリプトで演奏を行った。10月11日にはミュンヘンでも演奏している。作品は好評であり、また作品をヘックマンに献呈したことによって、翌年(1887年)ヘックマンはイギリスやイタリアでも演奏を行った。
直筆総譜は12月頭にロイッカールトに送られ、1888年1月11日にラインベルガーは見本本を受け取っている。この弦楽四重奏曲2番も1番と同様にピアノ連弾用に1886年11月に編曲されていた。連弾バージョンも1888年1月に見本本を受け取っている。