無伴奏宗教合唱曲集



「教会音楽はラインベルガーの母国語とみなされ、ほかのすべての種類の作品は方言と語られる。この見解は多くの事実によって支持されている。第一にラインベルガーの全作品における教会音楽が大部分を占め、ミュンヘンにて教会音楽と関連した地位を受けいれ、必ずしも具体的理由のためにする必要のない仕事を含めていた。小さなアルプスのリヒテンシュタインで育ったとても才能豊かな男の子とって、教会は事実上芸術音楽へ参入するたった一つの手段だった。」

 

ラインベルガー全集第8巻Han Theillによる解説序文 より 

2019/May/15

 

 ラインベルガーはミサ曲を中心とした、宗教曲が最も演奏されています。もちろんミサ曲以外の宗教曲もそこそこ演奏がなされています。しかし意外なことに17曲あるミサ通常文や器楽伴奏宗教曲や、あまり顧みられない無伴奏世俗合唱曲(特に男声合唱)と比較しても、その割合はとても小さいです。

 

 ラインベルガーの無伴奏宗教曲の特徴を簡単に述べますと 

  1. Motetten及びHymnenとGesängeでは前者は基本的に典礼での使用を、後者はコンサート会場での演奏を前提としている
  2. 作曲後すぐに出版されたものはほとんどない
  3. 多くの彼の原稿は出版社から拒否された

の3点が挙げられます。

 

これまでいくつか作品の解説を書き、今回新しい曲集解説の用意をしましたが、配置がぐずぐずになってきたため、一つカテゴリーに再配置を行いました。

 

なおテキスト内容と楽曲分析は踏み込みませんので、あしからずです。また、個別曲の邦題はかなり強引に訳しましたので、より適切なタイトルをご存知の方いらっしゃいましたら、ぜひとも教えてください。