Drei lateinische Hymnen op.96

3つのラテン語の讃歌 作品96


Regina coeli 天の女王

Regina coeli laetare, alleluia:

quia quem meruisti portare, alleluia:

resurrexit, sicut dixit, alleluia:

ora pro nobis deum, alleluia.

(使用テキスト・斜体黄色が省略された部分)


Adoramus te あなたを崇拝します

Adoramus te, Christe,

et benedicimus tibi,

quia per sanctam crucem tuam

redemisti mundum.

super omnia ligna cedrorum, tu sola excelsior,

in qua vita mundi pependit,

in qua Christus triumphavit,

et mors mortem superavit in aeternum.

(使用テキスト・斜体黄色が省略された部分)


Ave vivens hostia

めでたし生けるいけにえ

1. Ave vivens hostia, veritas et vita

in qua sacrificia cuncta sunt finita.

Per te patri gloria, datur infinita.

Per te stat ecclesia, jugiter munita.

 

2. Ave vas clementiae, scrinium dulcoris,

in quo sunt deliciae caelici saporis.

Veritas substantiae, tota salvatoris,

sacramentum gratiae, pabulum amoris.

(使用テキスト・斜体黄色が省略された部分)


統一性のある動画で揃えたかったのですが、ありませんでしたので、ご了承ください。1番の「Regina coeli」は画像ひっくり返ってますし、3番の『Ave vivens hostia』はピアノ伴奏ですがが、細けぇことはいいんだよ、てへぺろ。

  1. Regina coeli 天の女王
  2. Adoramus te あなたを崇拝します
  3. Ave vivens hostia めでたし生けるいけにえ

 

 『Drei lateinische Hymnen op.96 3つのラテン語の讃歌』はラインベルガーの女声合唱のための宗教作品の中の最高傑作である。ことに第3曲「Ave vivens hostia」は全作品の中でもトップクラスと断言する。

 

 1877年に出版されたこの女声三部合唱とオルガンのための3つの讃歌は、本来は一つのコレクションを意図して作曲されたものではない。1番「Regina coeli」は依頼を受けて作曲されたが、2番「Adoramus te」と3番「Ave vivens hostia」はおそらく出版を意図したときに制作されたものである。

 

 1874年夏、ラインベルガーはインスブルックの修道院から新曲の依頼を受けていた。そこで彼は1856年作曲したカンタータ『イエフタの犠牲(またはイエフタの娘)』に彼は注目した。ラインベルガー自身のピアノで『イエフタの犠牲(またはイエフタの娘)』がミュンヘン・オラトリオ協会が演奏されたとき、タイトルロールを歌ったのは後の妻フランチスカだった。この曲から、アリアと合唱の4番「Stimmt an ein Lied, Jungfraun! (歌えや、乙女!)」に白羽の矢をたてている。それから妻フランチスカが聖母マリアのアンティフォン「Regina coeli」の原文を縮小して書き写し、ラインベルガーはオルガン伴奏を加えた。この編集は1874年7月21日に行なわれている。出版の過程で、おそらく1876年の5月か6月、ラインベルガーはこの作品にさらなる改訂を施した。合唱部分とオルガンの多くの手を入れられているという。

 

 「Adoramus te」(2番)と「Ave vivens hostia」(3番)は1876年5月に順に作曲された。前者の5月6日に下書と清書がなされ、続いて「Ave vivens hostia」は5月8日に下書きされ、5月10日に清書された。

 

 このコレクションの出版過程をほとんどわかっていない。1876年7月11日、ラインベルガーは作品96と作品98(オルガンソナタ4番)の直筆原稿を出版社のローベルト・フォアベルクに送付し、7月13日に受理された。しかし実際の出版までは数か月待たされ、その年の終わりにやっと発行された。フォアベルクは1877年1月13日まで2つの新作の印刷見本(6冊)を送っていなかった。

 

 表現力豊かで和声的にも大胆な傑作「Ave vivens hostia」は宮廷楽長に任命されたラインベルガーの指揮の元、宮廷教会で9回演奏された記録が残っている。